高級時計を頂いた時のエピソード

「Palazzo Brugiotti」13世紀のローマ教皇にして学術・文化の保護者として知られるボニアティウス8世と同じ冠を抱き、美しく繊細なカービングが施されたこの時計を、当時大学の入学祝とし

「Palazzo Brugiotti」13世紀のローマ教皇にして学術・文化の保護者として知られるボニアティウス8世と同じ冠を抱き、美しく繊細なカービングが施されたこの時計を、当時大学の入学祝として父よりプレゼントされたのは、もう随分昔のこと。黒い文字盤に洗練されたデザインのオフホワイトのエンブレムが映え、シンプルでいて実用的なフォルムが、G-SHOCKが時代を席巻していた時分に何にも増して新鮮に斬新に思えた。
イタリア時計界の匠、時計マイスターが丹精を込めて創りあげたその時計を大切に今でも使っている。マイスターの手により数えきれない作業工程を経て出来上がった時計には、高級時計にありがちな宝石や貴金属の豪奢な装飾はないものの、補って余りある上品さが漂っている。
プライスだけなら、精巧なムーブメントだけならこの腕時計を凌駕する製品は星の数ほど存在する。
だが、単純な数字では測れないなにかがこの時計にはあって、それは不肖な息子に過分な時計をプレゼントしてくれた両親の想いがそう感じさせるのかもしれない。
恐ろしくて時計のプライスを尋ねたことはなかったし、おそらくこれからもないだろう。
しかしながら、この腕時計をあらたまった表情でプレゼントしてくれた両親を、決して後悔させまいと精進している。いつか、過分に思えた時計を本当に自分に相応と思えるように。

RECOMMEND

Copyright 2017 高級時計を頂いた時のエピソード All Rights Reserved.